塚田行政書士事務所開設 ~ソーシャルゲーム規制再考②~
先日(5月19日)ニコ生アゴラ緊急特番にて、「コンプガチャ規制は正義?それとも悪?」という番組がネット上にて行われていました。司会は元NHKの池田信夫氏(現在の肩書は経済学者)、そしてゲームジャーナリストの新清士氏、ゲストコメンテーターとして、元任天堂のゲーム製作者である岡本基氏(現在は(株)エンタースフィア代表)という面々でした。
池田氏はゲームに関しては素人のようです(私も素人同然です。今回少しばかり勉強させていただきました)。他の2人は知る人ぞ知る(逆に言えば知らない人は全く知らない)ゲーム業界の専門家でした。
1時間を超える対談となりましたが、今回の規制に対して特に怒り心頭、はたまた業界への悲観的予測といった匂いは、対談者間にてはありませんでした。お互い淡々・ほのぼのと過去、または現在の状況分析を語っていたようです。ある意味、これは論客として一番過激と思われる司会者の池田氏が、この問題に関しては全くの素人であった故かもしれません(もしかして氏はこのことにあまり興味が無いのかもしれません)。
現状分析、今後の展開などもこのブログで述べていたことと、特に然したる違いは無かったように思われます。視聴者としては、もっと過激な論戦展開を期待していたのではないでしょうか。番組最後のアンケートにては、「あまり良くなかった」というアンケート結果が一番多かったようです(ちなみに私は穏便な選択肢である「まあ良かった」的な回答をしました)。最後に池田氏から「ゲーム業界も日本の大切な成長産業なので、もっとやさしい目をもっても良いのでは」というような発言がありましたが、その時の画面上では一斉に批判コメントが立ち並びました。
先述したように、こういう動画を視聴して、はたまたコメントを書き込む人々は、徹底的にゲーム業界を批判、もしくはそれを規制する行政・権力に対し異議申す、といったスタンスを望むでしょう。ですから、今回の番組はそれらの人々にとっては消化不良気味であったかもしれません。
グリー、ディー・エヌ・エー、その他各種ゲームメーカーも短期間に売上を伸ばし、成長産業としてその名をはせるようになりました。多大な課金、射幸性の問題は2~3年前ぐらいより言われていたようです。ゲームというプラットフォームは経産省、オンライン分野は総務省、そして賭博・ギャンブル性となると警察庁(国家公安委員会)の許認可・規制担当になります。しかし、先述した多大な課金、そして射幸性からの青少年保護という消費者保護問題ということで、今回は消費者庁による景品表示法違反ということにての規制が業界にかかりました。「消費者保護」という錦の御旗(みはた)が勝利したわけです。
くしくも、元2ちゃんねるの管理人である「ひろゆき」氏が2ちゃんねるの違法な書き込みの削除命令に関してコメントを出しています。氏は「実際に警察から命じられた2件に関しては削除を行った。しかし、他の財団法人からの指導であるものに関しては、司法等により「違法」と結論づけられたものでは無いので、削除は行っていない」、という趣旨の発言を行っています。
国・行政と「ケンカ」をするには、非常なタフネスさが要求されます。ひろゆき氏はタフなのでしょう。一方、ゲーム業界はとりあえず「金持ちケンカせず」といった様相なのでしょうか。各種ゲーム業界は、コンプガチャに関して5月中の完全撤退を表明しました。
以前も述べましたが、元来この国(日本)は本音と建て前を使い分け、侘び寂び(わびさび)を重んじる国柄です。話はかなり飛んでしまいますが、こういう国だからこそ、現憲法下にても自衛隊を中東にまで派遣することができ、また風営法にて各種特殊風俗業も成立し、それらを良しとしている国民性なのです。
諸外国にては、すでにオンラインを規制する法律が存在しており、日本はそれに比較すると、これらの動きは立ち遅れているようです。はたして規制した方が良いのか、規制するにしても、事前規制・事後規制のどちらを優先すべきか、結構な難問題と思われます。
これまで数回にわたり様々と述べてきましたが、国・行政と我々国民・消費者との関係、日本人の国民性など考えるに、このソーシャルゲーム規制問題は、非常にネタ(下品な表現ですが)の絶えないトピックであると思われました。
今後も、何かの動きがあれば考えていきたいと思います。

